ぼっちナンパ

ぼっちな大学生がナンパするブログ

ぼっち大学生がナンパで童貞を卒業した日の話

 

 

大学生といえば何を想像するだろうか。

サークルにバイト、遊びに飲み。

人生の夏休みとも称されるくらいの楽しさが詰まった充実した日々。

自分もそんな生活を送れるんじゃないかと思っていた。

でも現実は違った。

 

過去の経験から対人恐怖に陥っていた自分は、人が自分を嫌っているという考えが常につきまとい、時には希死念慮すら湧いてきた。教室と家を淡々と往復する日々。

思考が現実になるとはよく言ったもので、大学でも変わらず、暗く表情も固くなった自分を見た相手は戸惑いの表情を浮かべ、離れていった。

 

 

6月最終日。ナンパを始めてもうすぐ一ヶ月になる。

前日のアポをギラつきも出来ず、ただお酒を飲んで相手の早すぎる終電を見送った僕は投げやりな気持ちになっていた。

家に引きこもっていようかという気持ちにもなったが勇気を出して街に出る。

実力がないのだから、回数を増やしてカバーするしか無い。電車に揺られながら不安と期待が入りまじった感情を深呼吸でまぎらわした。

 

 

初めての街。人は多く、活気があった。今と比べても気温も穏やかで過ごしやすかったと思う。

しかし地蔵から抜け出せないまま、あっという間に時間は流れ、気づいたら2時間も街を歩き続けていた。自尊心が削られていく。自分がいかにダメであるかを確認するために街に出ていた。

心が折れた自分はスマホに逃げた。

僕は流星道場というところの講習生である。

LINEグループには街に出るという言葉が並んでいた。

 

 

道場生は地蔵トークもまばらに、淡々と声掛けしていた。

なによりターゲットを見つけてからの動きがめちゃくちゃ速い。圧倒された。ナンパ師ってこういう人をいうのだなと思った。自分はこんな風になれるのだろうか。

 

流星さんも途中から現れて、指名をいただく。不思議とオープンした。気持ちがのってくる。

道場生が、がつがつと声掛けする中で、勢いに乗れた。ぱっと目に入った子の方へ向かう。この日初めての自分から声掛け。

この時不思議と普段あるような迷いとか全く無くて、声かけをする以外の選択肢しか存在しないようにすら思えた。

 

身長は低く、顔は暗い。年齢は同じくらいだろうか。

 暗い顔を指摘しつつ声かけをしてすぐに怪しまれる。

適当に流しつつ学生証を出してみたり、適当に理由づけしていたら怪しみつつもあっさりついてきた。

連れ出すイメージもないまま声掛けをしていた僕は軽くパニックになった。オープンすれば満足していたのだ。頭が真っ白になりながら、カラオケに入った。

 

カラオケでは簡単な経歴を聞いて、色々と褒めてみた。

「私変わってる」

しきりに言う彼女がそんなに変わっているかはよくわからなかった。でも、今の自分には波長が合っていて、無理せず接することが出来た。

下手くそなりに、共感を示しつつ、彼女のタバコを吸わせてもらったり、髪触ったり段々と心理的に近づけていることは感じた。

指定した2時間はすぐに過ぎてしまう。ギラつけなかったことよりも部屋代が予想の2倍位して動揺が隠せなかった……。

 

 カラオケから出たあと、下手な言い訳をして手をつないだ。

この後の僕は本当にグダグダだったと思う。

ホテル街とは真逆へ行く横断歩道を渡りつつコンビニへ入る。

流星さんが現れて、なんで自分がいる場所がわかったのだろうと思いながらとりあえず会釈をする。その後もうろうろ。

スマホに流星さんの大量のLINEメッセージが入っていることに気づき、焦りつつ何とか歩くルートを修正。

まあでもそのあともグダグダでお金下ろすためにコンビニにまた入ったり、ホテル街1周したりと、彼女が帰らないのが不思議なほどひどかった笑

 

ようやくホテルについて、テレビをつけてみたり、適当に話したり。ホテルの機能を弄ったり。でも何も頭に入ってこない。

テレビを消してベッドの縁に腰かける彼女の横に座る。僕は緊張していた。

消え入りそうな小声でキスしていいか確認した。コクリと頷く。

相手の顔を覗きこむようにキスをした。

 

初めてのセックスはへたくそでぎこちなくて、ぶっちゃけ入れるのにもクソほど手間取って、でもたくさんキスをして、何度も可笑しくなって笑った。性的な満足感なんて対してなかったけど、精神的に満たされていった。休憩の3時間なんてあっという間で電話が鳴る音が恨めしかった。

 

ホテルを出て深夜だというのにまだまだ明るい街を歩いた。口数も減って、静かに歩いていたけれどなんとなくつながっている気がした。

おじさんがゲロを吐くのを2人でながめて、また彼女はタバコを吸っていた。ゲロを吐くときの音が嫌いだというのに熱心に観察していて笑う。

満喫で夜を明かし、別れた後、ロクに寝ていないのに清々しい気持ちで電車に揺られた。

最初に声をかけてから、すでに10時間以上も経つ。

初めて会った女性とセックスをして、一夜を共に過ごす。我ながら意味がわからない。

ぼっちで完全に非リアと化し教室のはじに座っているような人間でもナンパでセックスすることができた。ナンパってすごいと正直思った。

 

ナンパでいかに相手の世界に自分をねじ込むか。存在をいかに大きなものにしていくか。会話だけじゃない。見た目、振る舞い。コミュニケーションの大切な要素が詰まっているように思えた。

友達0で童貞だった、普段の会話なんて無いに等しい自分には正直意味がわからない、縁があるとは思いもしなかった。でもそんな世界に入ってしまった自分がいる。

コミュニケーションから逃げて、人生から逃げていた自分にとってこれはチャンスなのかもしれない。

街に出るのは正直楽しいことばかりではない。むしろ苦しく感じることが多い。普段の生活もうまくいっている人のほうがナンパでも結果を出しているし、別にナンパがうまくなったからといって現実の生活は大して変わるわけでもない。ぼっちの生活は変わらず続いていく。

でもこんなにやる気になったのは初めての経験で、正直ワクワクしている。それだけで十分じゃないかと思った。